【コラム】「企業能力」としての組織俊敏性
2009/08/03 Featured, コラム by AtsushiSaito
企業能力としての俊敏性
「組織の俊敏性」とは、常に新たなチャンスを模索し、競合よりも早く
我がものにする「企業能力」です。
ある世界的なコンサルティングファームが調査結果によると、
ビジネスリーダーのの10人のうち9人が、組織の俊敏性は事業の成功に
不可欠なものと位置づけ、さらにその重要性は高まりつつある、と答えています。
俊敏性の向上は経営において、売上の増大やCSの上昇、シェア拡大、
リードタイム短縮など、いくつかのメリットをもたらします。
ロンドンビジネススクール教授のドナルド N.サル教授によると、
組織の俊敏性は、
- 焦点が絞られたビジネスモデルにおいてオペレーションとプロセスを改善する
チャンスを特定し、それを実現させる「オペレーションの俊敏性」 - 資金、人材、経営者の注目などの資源を将来に乏しい事業部門から引き上げ、
魅力的な部門に迅速かつ効果的に傾ける「ポートフォリオの俊敏性」 - ゲームを変えるような一大チャンスを見て取り、確実に我が物にする
「戦略の俊敏性」
の三種類に分かれると指摘しています。
俊敏性の文化を維持する
当然ですが、起業間もない組織は規模が小さく、過去のしがらみもないため、
俊敏性が最も高く、成長に従い俊敏性の文化が衰退していくと考えれれます。
俊敏性の衰退は多くの企業に共通して見られるが、避けられな問題では
ありません。事実、俊敏性に不可欠と考えられる価値観に焦点を合わせ、
“徹底”させることで俊敏性の文化の維持・再生に成功する企業も数多く存在します。
俊敏性に欠かせない価値観―
つなわち透明性、チームワーク、良好な関係を大切にしにすること。
たとえば役員用の食堂や駐車場を撤廃し、肩書きや在職年数よりも
実績が決め手であることをはっきりと伝える、
健全な競争心と適度なプレッシャーをかけ、チームメンバーが何をしているのか、
どのように一致団結するのかについて、リーダーに共通認識を持たせる、
など、「価値観」に焦点をあて、それを“徹底的”に伝えることを通じて
俊敏性の文化の維持に成功し、市場で競争力を高めています。
実態の把握が不可欠
そして何より、どのような状況であれ組織内の俊敏性の源と実態について、
把握していくことが重要です。
「我々はどの程度俊敏か。」「俊敏性を阻害している要因はなにか」
「俊敏性を高めるためにはどのような方法があるのか。」
俊敏性の重要性を理解し、これらを自問自答しつづける経営姿勢の先に、
不確実な世界を切り抜ける組織能力の向上があります。